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官能小説 人妻 吉井香苗(41)

午後の時間、香苗はずっと落ち着かない様子で部屋で過ごしていた。

本来なら読書や映画鑑賞など、1人でいる1週間を有意義に過ごすつもりで居たのに。
まさかこんな事になってしまうなんて。

しかしそれは自ら招いた事、あんな痴態を犯した事からの結果だ。

あの後、もう一度シャワーを浴びて服を着た香苗。

今思い出しただけでも、顔がカァっと熱くなる。自分で自分がした事が信じられない。
ベランダであんな事、しかも裸で……。

どうかしていた。

しかし今回ばかりは自分の中の後悔だけでは済まされない。


  ……ん?なんだ?今なんか変な声聞こえなかったか?


あの時の中嶋の反応、きっと気付かれてしまったに違いない。

自分の発してしまったのは明らかに甘い快感に溺れる女の声だったのだから。

しかし確信は持てない。

もしかして〝気のせいだった〟という事で済ませて、何も気にしていないかもしれない。

だけど怖かった。
もし次に顔を合わせる事になった時、中嶋はどんな目で自分を見てくるのだろう。
そしてどんな言葉を掛けてくるのだろう。

それが怖くて、部屋から一歩も出れない。

もし部屋を出た所で隣に居る中嶋と顔を合わせる事になったら……。

性的に興奮状態だった時は中嶋を、中嶋の身体を求めている自分がいた事は確かだった。

決して恋愛感情ではないと香苗は自身に言い聞かせているが、あの激しいSEXと雰囲気から伝わってくる中嶋のフェロモンに魅了されている自分は確かにいた。

しかし冷静になった今は、中嶋に対しては警戒心からくる恐怖感しか抱いていない。

とにかく中嶋が怖かった。中嶋と会ってしまう事が。

中嶋に会った瞬間に、自分の中の何かが崩れてしまいそうで。



香苗 「……。」


もう夕方の時間。
晩御飯は昨日の物が残っているが、なんだかちっとも食欲が沸いてこない。

時計を眺めながら、早く時間が過ぎて欲しいと願うばかりの香苗。

こんな1週間はすぐに過ぎて、祐二に早く帰ってきてほしかった。

きっと祐二が帰ってきてくれれば、凄く安心できると思う。

いつも当たり前のように祐二が帰ってきてくれていた、安心感に満ちた日常的な日々が、今はとても恋しい。

もちろん祐二の事はいつも頼りにしていたけれど、まさか自分がこんなにも祐二という存在に依存していたなんて思わなかった。

1週間という長い間の出張で、初めて香苗はそれに気付き、自覚したのであった。

祐二がいかに自分にとって大切な人であるかを。


香苗 「……祐二……」


香苗がちょうどそんな事を考えていた時だった。

テーブルの上に置いてあった香苗の携帯電話、その着信音が突然鳴り始めた。


♪~~♪~~♪~~……


その音を聞いて急いで携帯を手に持った香苗。


……この着信音……


この音はある人専用に設定してある音なのだ。

そして画面に出ている名前を見て思わず香苗は笑顔になる。

そう、香苗の思いが伝わったのか、その相手は祐二だったのだ。


香苗 「……も、もしもし?」


祐二 「おお香苗、元気にしてるかぁ?」


1日ぶりに聞く祐二の声。

たった1日会わなかっただけなのに、なんだか凄く久しぶりに聞いたような気分だった。

そして相変わらず祐二の声は優しくて、それだけで香苗は少し安心感を持てた。


香苗 「うん、元気。はぁ良かったぁ……祐二……」


思わず漏れた、香苗の気持ち。


祐二 「ん?ハハッ……へぇ、俺が居なくて寂しかった?まだ1日しか経ってないのに。」


香苗 「え?あ……ち、違うわよ!ただちょっとね……うん……こっちは1人の時間を有意義に過ごしてますよぉ、うん。」


香苗はすぐに強がるような部分がある。もちろん甘える時には甘えるのだが。


香苗 「祐二は?仕事順調?」


祐二 「あぁ、順調だよ。これからこっちの人に美味しい店に連れて行ってもらうしな。」


香苗 「え~何それ祐二だけズル~イ!」


祐二 「付き合いだよ付き合い。これも仕事の内さ。」


先程までの不安に満ちた気分とは打って変わって明るい気持ちになる、そんな祐二との楽しく幸せな会話は続いた。

他愛もないいつも通りの会話だったが、祐二の大切さを実感していた時にタイミングよく掛かってきた電話が、香苗はとても嬉しかった。

少し乙女チックかもしれないが、なんだかやっぱり運命的に祐二とは結ばれているような、そんな感じがしたのだ。

しかし、香苗にとってのそんな幸せな会話は15分程で終わった。


香苗 「あ、うん、じゃあね。身体に気をつけてね。」


香苗は最後に何気ないように装っていたが、内心は正直もっと祐二と話していたいという気持ちがあった。普段なら違ったかもしれないが、今日は特にそう思ったのだ。

でも香苗がその気持ちを表に出す事はなかった。

あまり祐二に心配掛けるような事はしたくなかったし、たった1日会わなかっただけでこんなにも寂しがっている自分を、なんとかく見せたくなったから。


祐二 「おお、じゃあ戸締りとかしっかりして寝ろよ。あ~あと何かあったらすぐ電話しろよ。」


香苗 「うん……わかったぁ。」


祐二 「じゃあな、また明日電話するから。」


香苗 「うん……じゃあね。」


そうして2人を繋ぐ電話は切れた。

先程までは時間の流れがあんなに遅く感じたのに、祐二との電話はあっという間であったように感じる。


香苗 「はぁ……」


電話が終わり、静まり返った部屋で漏れたため息。

再び時間が元に戻った事を感じた瞬間、その落差に思わずため息が出てしまったのだ。


……また寝る前に電話したら迷惑になっちゃうかな……祐二きっと疲れてるだろうしなぁ……


電話を切ってからすぐにそんな事を思ってしまうのは、まだまだ香苗の心が安心感で満たされていない証拠だったのかもしれない。

携帯を手に持ったまま香苗は、その画面に映る祐二と撮った写真をじっと眺めながら、まだ耳に余韻が残っている祐二の声を思い出していた。




もう外は暗い。


香苗 「あ……もうこんな時間、晩御飯どうしようかな……」


いつの間にか夜になっていた事に気付いた香苗は、食欲がない自分と相談するようにそんな事を呟く。

そしてキッチンに移動して冷蔵庫の中を見ていた、その時だった。


祐二との電話で少し薄れてきていた香苗の中にあるあの不安感、それが一気に膨れ上がる出来事が起きる。


ピンポーン……と、インターホンの呼び出し音が部屋に鳴り響いたのだ。


香苗 「……えっ?」


こんな夜に……誰……?


なんとも言えない、背中がゾクゾクするような嫌な予感が香苗の頭をかすめた。



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[ 2014/01/02 ] TB(0) | CM(0)

官能小説 人妻 吉井香苗(42)

香苗 「……どうしよう。」


インターホンモニターのボタンを押すのが怖かった。

もし今感じている嫌な予感が当たってしまったら……。

そんな事を思いながら香苗がなかなか出る事ができないでいると、もう一度ピンポーンと呼び出し音が鳴る。

なんだか急かされているような気分で、香苗は恐る恐るインターホンモニターのボタンを押した。

そしてモニターにドアの外にいる人物が現れる。


香苗 「あっ……」


それを見た瞬間にそう声を上げた香苗、予感は的中してしまっていた。

モニターに映った人物はやはり中嶋だったのだ。


中嶋 『こんばんわぁ!中嶋ですけど。』


少し大きい中嶋の声がスピーカーから聞こえる。

しかしモニターのボタンは押したものの香苗はなかなか声を出してそれに応える事ができなかった。

昼間に盗み聞きをしていた時のように胸の鼓動が早くなり、緊張で声が胸の辺りで詰まってしまう。

それにもし昼間の事で変な事を聞かれたらどうしようという思いもあった。


中嶋 『あれ?奥さん?もしも~し!』


香苗 「……。」


中嶋 「昨日のタッパお返しに来たんですけどぉ。」


香苗 「えっ?」


中嶋のその言葉を聞いて香苗はハッとして思い出した。

そうだ。昨日カレーを中嶋の所へ持って行った時にタッパごと渡したのだった。

中嶋はそれを返しに今来た。それは普通に考えてみればごく当たり前の行為。

恭子だって前に隣に住んでいた人だって、料理を持って行った次の日にはタッパを返しに来てくれた。

未だに中嶋に対しての警戒感はあるが、それなら出ない訳にはいかない。


香苗 「ぁ……あの……ちょっと待っててください。」


香苗は緊張気味に震えた声でそうモニターに向かって応える。


中嶋 「なんだ、やっぱ居るんじゃん。」


中嶋のその声を聞いた後モニターの前から離れた香苗は、洗面台の鏡で自分の顔と格好をチェックしてから玄関に向かった。

しかし玄関まで来て、ドアノブに手を掛けた所で香苗の動きは止まってしまう。


香苗 「……。」


このドアを開ければ目の前にあの中嶋がいるのだ。

そう思うと、やはり緊張してしまう。

しかし逆に少し冷静に考えてみるとなんて事は無いかもしれない。

ただタッパを返してもらうだけ、それだけなのだから。

タッパ受け取り、そしてそれだけできっとすぐに帰ってくれる。


香苗 「……ふぅ……」


自分を落ち着かせるかのように1つ深呼吸をしてから、香苗はゆっくりとそのドアを開けた。


中嶋 「ん……おお、こんばんは。」


香苗 「こ、こんばんは……。」


予想通りというか当たり前なのだが、ドアの向こうには中嶋が居て、笑顔で挨拶をしてきた。そしてそれに香苗も応える。

一目見た中嶋の姿、身体はやはり大きく逞しい。

それに男らしい独特のオーラを感じる。


中嶋 「いやぁ、昨日はありがとうございました。カレー超美味かったですよ。」


香苗 「そ、そうですか……それならよかったです。」


中嶋 「やっぱり奥さん料理上手なんですねぇ。」


香苗 「そ……そんな事……」


早くタッパを渡してもらって帰ってほしかった。

香苗はずっと斜め下を向いて中嶋の顔を見ることができない。

顔が熱い。きっと今自分は顔が真っ赤になっている。
そんな顔、中嶋に見せたら簡単に心の中を見抜かれてしまいそう。


中嶋 「……ところで奥さん、今日はずっと部屋に居たんですか?」


香苗 「……ぇ……?」


何気なく出てきた中嶋からのその問いに香苗は戸惑った。

なぜ突然そんな事を聞いてくるのか。


中嶋 「いやまぁ、あれでしょ?旦那さん出張なんでしょ?」


香苗 「ぇ……えぇ……。」


中嶋 「ずっと1人で部屋にいるんじゃ、奥さんも退屈でしょう?」


香苗 「ぇ……あの……」


中嶋 「退屈だったんでしょう?奥さん。」


香苗 「……それは……」


そうニヤニヤと笑みを浮かべながら言ってくる中嶋。

そんな中嶋の言葉に対して香苗は目が泳ぎ、明らかに動揺を見せている。

どう考えても中嶋はある意図があってそう聞いてきているのだと、香苗にも分かったからだ。


中嶋 「いやねぇ、俺も恭子がいなくて退屈してるんですよぉ。」


香苗 「わ……私は別に……えっ!?」


香苗が思わずそう驚きの声を上げたのは、香苗が少しだけ開いていたドアを、中嶋が手で強引に開けてきたからだ。

そしてドアを開けたかと思うと次の瞬間、中嶋は身体をドアの間に割り込ませるようにして玄関の中にまで入ってきたのだ。


香苗 「え、あ、あの、中嶋さん?」


中嶋 「旦那さんが居ないと寂しいでしょう奥さん、ちょっと色々と話しませんか?ほら、この前の食事会以来ちゃんとした会話してなかったじゃないですか、俺達。」


香苗 「で、でもあの……そんな突然……。」


中嶋 「ハハッ、いいじゃないですか、そんな気を使う事ないですよ、仲の良いお隣同士。ほら、俺酒持ってきたんですよ。」


そう言って手に持っているコンビニの袋に入った缶ビールを香苗に見せると、中嶋は靴を脱いで勝手に香苗達の部屋の中へと上がり込んでいく。


香苗 「ちょ、ちょっと中嶋さん、困りますそんな勝手に。」


中嶋 「大丈夫ですよ、つまみもちゃんと買ってきましたから。」


香苗 「そ、そういう意味じゃなくて……ホントに困ります中嶋さん。」


そんな香苗の言葉を無視するかのように、中嶋はドカドカと廊下を進んで行ってしまう。


……うそ……イヤこの人……なんなのよ……


常識を超えた中嶋の行動。

その全く予想外の展開に香苗は困惑し、心は大きく動揺していた。



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[ 2014/01/02 ] TB(0) | CM(4)

官能小説 人妻 吉井香苗(43)

中嶋 「へぇ~やっぱ綺麗にしているんですねぇ部屋。恭子の部屋も綺麗だったけど俺が住み始めてからは結構散らかってましてねぇハハッ。」


ついにリビングまで入ってきてしまった中嶋は、そう言いながらテーブルにビールの入った袋を置く。
そして香苗に何の断りもなくソファに腰を下ろした。


中嶋 「いいソファですねこれ、なんだか高級そうだ。」


香苗 「あ、あの……困ります中嶋さん……ホントに。」


立ったままの香苗は困惑しきった表情で中嶋に対しそう言った。

〝警察を呼びますよ〟そんな言葉が、もう喉まで出掛かっている。

しかし香苗はそんな大それた事をそう簡単にはできない。
隣人とのトラブルで警察を呼ぶなんて、やはりマンションの他の住人の目も気になる。

それにこの中嶋は大切な友人である恭子の恋人。その関係を変に拗らせてしまう事にも抵抗を感じる。


香苗 「……。」


中嶋 「ほら、奥さんも座ってくださいよ。まずは乾杯しましょう。」


ビールの缶を袋から2本取り出し、香苗の前に笑顔で差し出す中嶋。

ただただ困惑する香苗の気持ちなど気にも止めない様子で、中嶋は余裕の表情で愉快そうにしている。


香苗 「な、中嶋さんっ!いい加減にしてください!」


あまりに身勝手な中嶋の態度についに香苗はそう声を張り上げた。

しかしそんな香苗の声を聞いても、中嶋の態度は変わらない。


中嶋 「ハハッ!いい加減にしてくださいかぁ……ふーん……」


中嶋はニヤニヤと笑みを浮かべながらそう呟くと、缶ビールをプシュッと音を立てて開け、それをグビグビと流し込むように飲む。

そしてビールを半分程一気に飲んだ中嶋は、テーブルに缶を置いた後、ゆっくりとその口を開いた。


中嶋 「いやぁ奥さん……いい加減してほしいってのはこっちのセリフですよ。」


香苗 「……ぇ……」


中嶋 「困るんですよねぇ、毎日毎日、僕のプライバシーを侵害するような事をしてもらっちゃ。」


香苗 「……ぇ……ぁ……」


突然言われた中嶋からのその言葉に、香苗は言葉を失った。

まるで心臓を鷲掴みされてしまったかのように、香苗はその場で固まっている。


中嶋 「ねぇ?そうでしょう?奥さん。」


香苗 「……な……何を……」


まるで容疑者にでもなってしまった自分が中嶋に尋問されているような気分。


中嶋 「ハハッ!何をって事ないでしょ奥さん。知ってるんですよ、俺は……へへ……まぁとりあえずここに座ってくださいよ。」


香苗 「……。」


自信満々、余裕たっぷりの中嶋が言っている事が何を指しているのか、香苗には容易に想像できた。

もちろん、昼間のあの事を言っているのだろう。

やはり知られてしまっていたのだ。

昼からずっと、そうでない事を願っていた。しかし現実はやはり違っていた。

香苗は信じたくなかった。今のこの厳しい現状を。

夢なら覚めて!と、香苗は心の中で何度も叫んだ。


中嶋 「大丈夫ですよ奥さん、ほら、まずは一杯飲んで、心を落ち着かせましょう。」


不安げな表情で、言われるがままに中嶋から差し出された缶ビールを受け取り、ソファにゆっくりと腰を下ろす香苗。


香苗 「……。」


中嶋 「ほら、飲んでください。話はそれからです。」


香苗 「……。」


香苗は無言のまま、中嶋に言われた通りにビールに口を付けた。

ほろ苦い味とさわやかな炭酸が喉を通る。そしてアルコールにそれ程強くない香苗の身体は、ビールが通った部分がアルコールに反応して熱くなっていくのを感じた。


中嶋 「遠慮せずにどんどん飲んでくださいね。」


中嶋はそう言いながら近づいてきて、香苗が座っているすぐ横に再び腰を下ろす。


中嶋 「でもよかったですねぇ奥さん、ちょうど旦那さんが出張で。俺もあの事を旦那さんに言うのはちょっと気が引けますから。」


香苗 「……。」


依然、無言のままの香苗の頭の中には、祐二の姿が思い浮かんでいた。


……祐二……助けて……


そんな思いを抱く一方、中嶋が言っているのがあの事であるならば、祐二には絶対に知られたくないという気持ちも当然香苗にはあった。


中嶋 「奥さんも知られたくないでしょう?旦那さんには。」


香苗 「……中嶋さん……」


中嶋 「あの事は、今夜俺達だけで解決しましょう。それでいいですよね?」


そして中嶋はそう言いながらゆっくりと手を伸ばし、その大きな手で香苗の太腿辺りをそっと触った。


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[ 2014/01/02 ] TB(0) | CM(2)

官能小説 人妻 吉井香苗(44)

香苗 「……や、やめてください……中嶋さん。」


中嶋からのセクハラ行為に香苗は逃げるように身体を離そうとしたが、中嶋のもう片方の腕に肩を抱き寄せられるようにして捕まえられているので逃げらない。

太腿の上を擦るように動く中嶋の腕はやはり太い。その筋肉質で太い腕が、女性である香苗の力では、例え本気で抵抗しても全く適わないであろう事を物語っていた。


中嶋 「本当に止めてほしいと思っているんですか?」


香苗 「……お、思ってます……だから止めてください。」


香苗の声は震えている。

祐二以外の男性に気安く身体を触れている事への不快感。
そしてこれからどうなってしまうのだろうという恐怖感で香苗の心の中は埋まっていた。

繰り返し後悔の念が溢れてくる。

なぜあんな危険な綱渡りを続けてしまったのか。

なぜ絶対に入ってはいけない領域にあそこまで近づいてしまったのか。


中嶋 「では確認なんですけどね、奥さん、昼間ベランダで何をなさっていたんですか?」


香苗 「……。」


中嶋 「……ん?どうなんです?」


香苗 「……それは……」


中嶋 「答えられませんか?」


香苗 「……。」


ただ顔を赤くして俯くだけの香苗。

中嶋は意地悪そうにニヤニヤと笑いながら香苗の耳元に口を近づける。


中嶋 「じゃあ……俺が教えてあげましょう。」


香苗 「……」


中嶋 「……オナってたんでしょ?イヤらしい声出しながらさ。」


自分の痴態、逃れようの無い真実を中嶋の口から突きつけらた香苗。

耳まで赤くして、目は潤み、今にも涙が零れそう。


中嶋 「聞えてましたよ、奥さんのイヤらしい声。……あの時、イッたんですか?」


香苗 「……ぃ…イヤ……」


中嶋 「へへッ……ベランダでイク時は特に気持ちイイんですか?奥さん意外に大胆なんだなぁ、真面目そうに見えるのに。」


そう言いながら中嶋は口から長い舌をネットリと伸ばし、香苗の耳を舐め始めた。

耳元でのネチョネチョとした音と、中嶋の舌のネットリとした感覚に香苗はすぐに拒絶反応を見せる。


香苗 「ン……ァ……イヤッ!イヤです……やめて……ン……」


中嶋 「耳を舐められるのは嫌いですか?それにしては敏感な反応ですねぇ。」


香苗の身体をしっかりと掴んでいる中嶋は、香苗の抵抗を物ともせずに耳舐めを続ける。


香苗 「ン……ハァ……やめて…ホントにやめてください中嶋さん!」


中嶋 「素直になりましょうよ奥さん。俺にはわかっているんですよ。」


香苗 「ハァハァ……何が……ですか?」


あたかも自分の事を全て理解しているかのような中嶋の口ぶりに、香苗はすぐに聞き返す。


中嶋 「不満をもっているのでしょう?旦那さんに。」


香苗 「……そんな事……私は……」


中嶋 「満足している?旦那さんとのSEXに。」


香苗 「……ぇ……」


祐二とのSEX……

祐二に不満など持っていなかった、結婚してからずっと。

でも、どこかで歯車が狂い始めてしまった。

そう、この中嶋という男に出会ってから。

この人に出会わなければ、普通で幸せな生活を続けていたに違いない。

そして今のように、1人の女性としてこんなに追い詰められた状況になる事もなかったはず。


中嶋 「溜まっているのでしょう?そして奥さんの中に溜まっているものは旦那さんが相手では解消できない。違いますか?」


香苗 「……イヤッ……」


認めたくなかった。

これを認めてしまえば、まるで祐二が、この中嶋よりも男性として劣っていると認めてしまうようなものだ。

中嶋のようなこんな男に、祐二の事を馬鹿にされたくない。

祐二の事を世界の誰よりも愛している。香苗の中で、その気持ちに揺るぎはなかった。


中嶋 「もう認めちゃえばいいじゃないですか。旦那とのSEXに満足できなくてオナってましたってさ。」


香苗 「……そ、そんな……事……」


中嶋 「そんな事ない?本当に?旦那さんで満足しているんですか?」


香苗 「あ、当たり前です……。」


中嶋 「ハハッ本当かなぁ?」


相変わらずニヤニヤとした表情で中嶋は、香苗の太腿を触っていた手を、さらに内腿の方へと進めていく。

中嶋の手が脚の付け根に近づいてきた時、香苗の拒絶反応はピークを迎えた。


香苗 「も、もうイヤっ!離して!早く出て行ってくださいっ!」


今までよりも強く抵抗する香苗。中嶋の太い腕を両手で持って、精一杯押し退けようとする。

必死だった。

先程の祐二との電話で気付いたのだ。やっぱり祐二といっしょにいる事が自分にとっての幸せだと。

祐二との幸せな夫婦生活を壊されたくない。


中嶋 「嫌ですよ、離しません。せっかく奥さんと2人きりになれたんだから。」


香苗 「ハァ……イヤ!放して……ハァ……」


中嶋の腕の中で必死にもがく香苗は息を切らしながらも、まだ抵抗をやめない。


中嶋 「頑張りますね奥さん。奥さんの旦那さんへの愛が本物だという事は分かりましたよ。」


その言葉を聞いて、香苗はやっと抵抗の力を弱めた。


香苗 「じゃ、じゃあ早く放してください……。」


中島 「いいですけど、1つ条件があります。」


香苗 「……条件?」


中島 「えぇ。その条件を奥さんが飲んでくれれば俺は部屋に帰るし、昼間の事も今夜の事も全て忘れます。あの事は俺と奥さんだけの秘密、誰にも言う事はありません。旦那さんにもね。」


香苗 「本当……ですか?」


中島 「もちろん。綺麗サッパリ忘れます。奥さんも忘れればいい。全てを無かった事にするんです。」


香苗 「……それで、条件っていったい何ですか?」


中島 「フッ……それはですねぇ……へへ……」


香苗 「……?」


中島 「それはですねぇ、奥さんの身体を今夜一晩だけ俺の好きなようにさせてほしいんです。」


香苗 「……ぇ……」


中島 「要は俺と今夜、一発SEXしてくださいって事です。」



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金曜は更新できなくてすみません。遅くなりましたがその分の更新です。
[ 2014/01/02 ] TB(0) | CM(2)

官能小説 人妻 吉井香苗(45)

香苗は言葉を失っていた。


……中嶋さんと……


それは香苗が隣の部屋の声を聞きながらずっと妄想してきた事。

現実ではない、別世界での話であったはずの事。

しかしそれを今、中嶋の口から直接言われたのだ。


中嶋 「どうです?1回だけ試してみませんか、旦那さん以外の男の身体を。」


香苗 「……な……何を言ってるんですか……そんなの……。」


できるはずない。


……私には……祐二がいる……


結婚式も挙げて、これまで幸せに暮らしてきた。

そんな事をしてしまえば、それが全て崩れていってしまう。


香苗 「お……おかしな事言わないで下さい……だ、大体、中嶋さんには恭子さんがいるじゃないですか。」


中嶋 「恭子?あぁ恭子の事なら気にしなくていいですよ。恭子は知ってますから。」


香苗 「知ってる……?」


中嶋 「俺がこういう男だって事をですよ。」


香苗 「そんな……そんなのおかしいですよ……。」


中嶋 「何がおかしいんです?価値観は人それぞれ、男女関係もそれぞれじゃないですか。」


香苗 「……だけど……」


香苗には全く理解できない事だった。

いやもちろん実際学生時代などでも浮気癖のある知人はいたが、その時から香苗はそういう人達の価値観が理解できなかった。

恋人ではない人と身体の関係を持つなんて全く理解できない事。

だから香苗はずっとそういった人間と世界からは距離を置いて生きてきた。

そんな事をしたら自分が自分でなくなってしまう。


中嶋 「奥さんも一度体験してみましょうよ、俺達の世界を。」


香苗 「……私は……違いますから……私はそんな……」


中嶋 「そんな女じゃない?よく分かってますよ、奥さんは真面目な人だ。旦那さん一筋ですもんね。」


香苗 「……。」


中嶋 「だけど、1日だけ別の世界を体験するのも良いんじゃないですか?別に減るものじゃないし。」


香苗 「……そんなの……」


中嶋 「誰にもバレませんよ。」


香苗 「……ぇ……」


中嶋 「さっきも言いましたがこれは俺達だけの秘密ですから、大丈夫です。」


香苗 「……。」


中嶋 「明日になればまた日常が戻ってきます。ね?少し味見するだけくらいの気持ちで。ちょっとしたお試し体験ですよ。」


中嶋は香苗の耳元で呪文のようにそう語りかける。

抵抗を止めた香苗は中嶋の腕の中で、それを聞いて少し考え込んでいる様子だった。

明日になれば戻ってこれる。そんな都合の良過ぎる中嶋からの提案が、頭の中を駆け巡り、香苗を誘惑していた。

あの世界に少し足を踏み入れてしまったがために中嶋に知られてしまった、香苗の痴態。

しかし後悔の念を感じている今でも、その世界が香苗の身体の奥にある、性への好奇心を刺激している事は確かだった。

一度その世界に入っても、帰ってこれる。祐二との幸せな生活も壊す事はない。

性の快楽に憧れるもう1人の香苗にとって、それはとても魅力的な事であるのかもしれない。

まさに普通ではありえない夢のような話。

しかし今の香苗は普通ではありえない話であっても乗ってしまいそうな程、冷静さを欠いていた。


中嶋 「奥さんは今までもこれからもずっと旦那さんを愛している。それでいいんです。今日の出来事は夢だと思えばいい。」


中嶋は香苗の肩を抱いたまま、香苗の髪を大きな手でそっと撫でる。

香苗は自然と目線を上げ、中嶋の目を見つめる。

中嶋の目は、まさに獲物を狙う、飢えた猛獣のような目だった。

しかしそんな目が、香苗の女としての本能を熱くさせていた。

身体の奥から沸々と沸いてくる、欲望。


香苗 「……夢……?」


中嶋 「そう……夢です。夢から覚めれば、奥さんが昼間やっていた事も今晩の事も、全て消えてなくなる。」


香苗 「……でも……」


中嶋 「でも?」


香苗 「でも私……あなたの事、嫌いですから……。」


自分が愛しているのは夫の祐二で、中嶋ではない。

その事を再度香苗は声に出して中嶋に伝えた。

そしてそれは同時に、香苗が自分自身に言い聞かせた言葉でもあった。

自分の心に、祐二との決して切れる事のない愛を再確認させたのだ。


中嶋 「ハハッ、いいですよ、嫌いでも。今日は心を外しておけばいいですから。」


香苗 「…………きゃっ……」


そう言って中嶋は香苗の身体をさらに近くに抱き寄せる。

そして片手を香苗の顎に添えて自分の顔の方へ向かせる。


中嶋 「俺に身を委ねてくれればいいですからね。」


香苗 「……ン……イヤ……」


中嶋 「大丈夫です。すぐに嫌だなんて言えなくしてあげますから。」


ゆっくりと近づく二人の唇。

魅惑的な世界への扉が開いていく。

ついにその世界に入っていく自分を許してしまう香苗。

そして中嶋は、香苗の震える唇を奪った。



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遅くなりましてごめんなさい。今週もよろしくお願いします。
[ 2014/01/02 ] TB(0) | CM(2)