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人妻 吉井香苗(65)

祐二 「いえ…あの……すみませんでした!こちらとしましても今後はこういった事がないように……」


……こんなにペコペコ他人に謝る姿、香苗には絶対に見せたくないな……


工場長の前で深々と頭を下げる祐二。

まさか、自分の人生でこんなにも人に頭を下げ続けなければいけない日々が来るとは思っていなかった。

どうして俺がこんな事を……そんな風に本気で思う事もしばしば。

しかしそこは歯を食いしばって我慢。それは責任ある立場の人間の宿命。

だから祐二は何を言われても耐え、そして謝り続ける。

今回の出張では、これが祐二の仕事なのだ。

祐二が働く会社のミスで、取引先の地方の工場に不利益が生じてしまった。そのため、祐二とその他数人の社員で謝罪とその後の対処をするためにここまできたという事である。

自分の会社でも上司から怒られ、さらにこの地方まで怒られに来ているのだ。

だから正直、今回出張のために家を出る時は気持ちが沈んでいた。


祐二 「……はぁ……」


……キツイなぁ……


ストレスの溜まり具合が分かるような深いため息。

実は最近、祐二にはこういった仕事が多い。

社会人生活をスタートして今まで、順調に昇進してきたのは良いが、今は所謂中間管理職。

上からと下からのプレッシャーに挟まれる立場。

だから今は体力的疲労に加え、精神的な疲労に日々苦しんでいた。

しかしだからと言って、へこたれてはいられない。

なぜなら今の祐二はすでに結婚して家族を持ち、その家庭を支える大黒柱でもあるのだから。

今はまだ子供は居ないが、最愛の妻である香苗がいる。

家族のために頑張るしかない。

いつも心が折れそうになる時に支えになっているのは、やはり妻である香苗の存在だった。

家に帰れば、あの笑顔が待っていてくれる。それだけで、祐二は何事にも耐える事ができるのだ。




「吉井さん、今日はこの後どうします?」


出張を共にしてきた1つ年下の部下がそう祐二に声を掛けてきた。


祐二 「え?どうするって、晩飯の事?それなら昨日美味しい店を何軒か教えてもらったから……」


「違いますよぉ、さっき休憩の時に言ったじゃないですか、凄い可愛い子が居る良い店見つけたって。」


祐二 「あ~あの事か……え?もしかして今日も行くつもりなのか?」


「へへ……もちろん。もうストレス発散しないとやっていけないですよ。」


この独身の部下が言っているのは、もちろん風俗店の事だ。


祐二 「よくやるね。そんな所に行ったら1日働いた分の給料が飛んでしまうんじゃないか?」


「でもホントに可愛いかったんですよその子。だからどうです?吉井さんもたまには。」


祐二 「俺は遠慮しておくよ。一応結婚してる妻もいるしね。」


「はぁ、真面目だなぁ吉井さんは。結婚してても結構行ってる人多いですよ。」


祐二 「え~そうでもないだろう。まぁ俺はその前にそういう店、興味ないからね。」


「え?マジっスかぁ、でも1回行ってみたら意外とハマっちゃうかもしれませんよ。やっぱり素人とはテクニックが違いますから。」


祐二 「なんだよそれ……兎に角俺は遠慮しておくよ。」


「へぇ~奥さんに一途なんですね、吉井さんは。あ~そうか、あの美人な奥さんなら一途にもなりますよね。」


その部下は、数年前の祐二と香苗の結婚式を思い出しながらそう言った。

当時同じ職場仲間達の間では、祐二の結婚相手が相当に美人だとよく話題になったものだ。

それに加え料理上手、家事上手だと言うのだから文句のつけようが無い。


祐二 「ハハッ、お前も早く結婚した方が良いぞ。全然違うから。」


そう、祐二は妻である香苗に一途だ。

祐二自身は、香苗に出会ってから他の女性に目移りした事など一度も無い。

それはきっと香苗も同じだろうと、祐二は夫婦間の関係に自信を持っていた。

香苗はいつも素敵な笑顔でいるし、幸せそうであった。

それに何か結婚生活に不満を持っているなどとは一度も聞いた事はないし、そんな素振りも見たことはない。

1つだけ不安要素があるとすれば、最近祐二の仕事が忙しくなってきて、一緒にいる時間が少なくなったという事くらいであろうか。

しかし香苗も大人の女性だ。その辺りはしっかり理解してくれていると思う。

そういえば、忙しくなった影響で最近は夜の営みも減っていた。

それで少し前に香苗の方からベッドの中で誘ってきてくれた事があったが、それには祐二なりにしっかりと応えたつもり。

元々2人とも性に関しては淡白な方であるという認識だったため、祐二はSEXが減った事をそれ程深く考えていなかった。

子供に関しても、欲しいという気持ちが生まれたら作ろうと二人で決めている。

だから祐二は、香苗が何か生活に不満を抱えているなどとは夢にも思っていなかったのだ。

俺達の結婚生活は順調だと、信じて疑わなかった。



……香苗どうしてるかな……


精神的疲労が溜まったこんな日は、やっぱり香苗の声が聞きたい。

あの声を聞くだけで、どれだけ祐二が癒される事か。


祐二 「今頃、香苗も飯でも食ってる頃か……」


そんな事を呟きながら、祐二は携帯電話を取り出してボタンを押し始めた。


携帯ぽけっと書房

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[ 2014/01/02 ] TB(0) | CM(5)

nonaさん

一度返答しましたが、消してまた書き直しました。




nonaさん、お話全て読みました。

僕はnonaさんのお話から1つ感じた事があります。

それはnonaさんは本当に心の澄んだ綺麗な方だなぁという事です。

相手の気持ちへの不安や、自分自身の心についての悩み。

でもそうやって悩んでいる事自体が、人間的に素敵だと思います。特にnonaさんは自分自身とちゃんと向き合ってますし。

性に関する悩みも、それは決して悪い事でも不純な事でもないと思います。寧ろそうやって相手の方を欲する気持ちは凄く純粋な感じがします。


僕も状況は違いますがそういった事で悩む事は多いです。性欲も強いし、人肌恋しくなって寂しくなる事もよくあります。

でもそれってきっと世の中の人は皆そうなんだと思います。
人間誰もが欲を持っていて、弱くて寂しがりで、安心できる人の温もりをいつも欲しているのだと。

その中でnonaさんのように悩む心ってやっぱり凄く綺麗なものだなぁと思います。

僕も25歳でまだ人生経験未熟なので分かりませんが、きっとnonaさんのその真っ直ぐな心で人を見ていけば、いつか心を満たす事ができる幸せを得る事ができるのではないでしょうか。

もちろん、悩みというのはいつも付きまとってくるものだと思いますが、その悩みからnonaさんが幸せを見つける事ができるよう、遠くから願ってます。

心の中の大切なお話、聞かせて頂きありがとうございました。嬉しかったです。



追記…その、SEXに関しては難しいのですが、そういった場合、相手の気持ちも大切ですが、やはりその前に自分の心とどう向き合うかが重要だと思います。

素敵なSEXになるかどうかは、自分自身の心次第なのかもしれません。

nonaさんの不安に対する答えにはなっていないかもしれませんね、ごめんなさい。


また何か不安な事とかあったら気軽にお話聞かせてください。
答えを出す事はできないかもしれませんし、話を聞く事くらいしか僕にはできないかもしれませんが。
[ 2011/08/08 02:10 ] [ 編集 ]

とめさん

コメントありがとうございます。

今回はメリハリというか、ワンクッション置く意味でも祐二視点の回を入れてみました。

僕も寝取り・寝取られ系の小説は大好きです。
水野果歩も吉井香苗も女性視点中心なので寝取られとは呼びにくい感じもありますが、いつか男性視点の寝取られものも書いてみたいと思っています。
心がえぐられるような苦しみの中に生まれる凄まじい興奮を描きたいですね。

土日は通常更新休みですので、また明日から頑張りたいと思います。
[ 2011/08/07 23:55 ] [ 編集 ]

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[ 2011/08/07 04:59 ] [ 編集 ]

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[ 2011/08/07 04:55 ] [ 編集 ]

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[ 2011/08/06 22:34 ] [ 編集 ]

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